2011年2月21日月曜日

パーセプトロンについての基本知識

パーセプトロンはニューラルネットワークの一つです。

ニューラルネットワークというのは、計算式で脳のニューロンのネットワークを簡潔に表現しようとしたものです。言い方を変えれば、脳の数学的なモデルという言い方もできるでしょう。

ここからは、Wikipediaのパーセプトロンという項目(http://ja.wikipedia.org/wiki/パーセプトロン)を参考、引用して説明します。

まず、形式ニューロンというモデルがあります。引用すると

”神経生理学者・外科医であるウォーレン・マカロックと論理学者・数学者であるウォルター・ピッツによって、形式ニューロンというモデルが考えられた。このモデルはチューリングマシンと同等の計算能力を持つ。”

とあります。チューリングマシンについては簡単に説明したこともありますので、おわかりの方も多いでしょうが、簡単に言えば、プログラムを逐次的に処理する現代のコンピュータ(ノイマン型コンピュータ)の数理モデルと言えるでしょう。

さて、パーセプトロン。まず、上記Wikipediaの記事から引用しましょう。

”ローゼンブラットはこの形式ニューロンの考え方を基にしてパーセプトロンを開発した。 S層(感覚層、入力層)、A層(連合層、中間層)、R層(反応層、出力層)の3つの部分からなる。 S層とA層の間はランダムに接続されている。 S層には外部から信号が与えられる。A層はS層からの情報を元に反応する。R層はA層の答えに重みづけをして、多数決を行い、答えを出す。”

というわけです。ごく簡単な三層パーセプトロンの図を書くと以下の通り。



さて、この三層パーセプトロンのことを一般的にパーセプトロンと呼んだりするのでややこしいです。このWikipediaの項目にはには単純パーセプトロンとバックプロパゲーションを用いた多層パーセプトロンがありますが、このブログではバックプロパゲーションを用いない三層パーセプトロンについて述べることにします。

さて、パーセプトロンについての上記引用には少し続きがあり、引用しておきます。

”1970年頃、デビッド・マー[2]とジェームズ・アルブス[3]によって小脳はパーセプトロンであるという仮説があいついで提唱された。のちに神経生理学伊藤正男らの前庭動眼反射に関する研究[4]によって、平行繊維-プルキンエ細胞間のシナプスの長期抑圧(LTD, long-term depression)が見つかったことで、小脳パーセプトロン説は支持されている。”

つまり、日本人の伊藤正男というかたが、小脳がパーセプトロンであるという証拠を見つけたわけです。

伊藤正男先生は、いま、ノーベル化学賞を受賞された野依良治先生理事長を務める理化学研究所の同じくノーベル生理学・医学賞を取られた利根川進先生が現在センター長を務められている脳科学総合研究センターの前所長で同センター特別顧問のほか、東大の教授をされているようです。(参考:http://www.brain.riken.go.jp/shogi-project/lab/ito.html

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